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繰り返す包皮の炎症、原因と治し方を泌尿器科医が徹底解説―福岡薬院ひ尿器科コラム

2025年02月03日

男性特有の悩みの一つに、包皮の炎症(亀頭包皮炎)があります。繰り返す炎症に悩まされている方も少なくないのではないでしょうか。このブログ記事では、泌尿器科専門医の立場から、包皮炎の原因、症状、治療法、そして予防策についてわかりやすく解説します。正しい知識を持ち、適切なケアを行うことで、包皮炎の悩みを解消しましょう。

 

1.包皮炎とは?

 

包皮炎とは、亀頭と包皮に炎症が起こる状態を指します。亀頭包皮炎とも呼ばれ、男性の泌尿器科疾患の中でも比較的よく見られるものです。炎症が起こると、痛み、赤み、腫れ、かゆみ、分泌物などの症状が現れます。症状が軽い場合は自然に治ることもありますが、繰り返したり、症状が重くなったりする場合は、専門医の診察を受ける必要があります。

 

 

2.包皮炎の原因

 

包皮炎の原因は多岐にわたりますが、主なものとしては以下のものが挙げられます。

 

・細菌感染:ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が原因となることが多いです。不衛生な状態や、免疫力の低下などが感染を引き起こす要因となります。

・真菌感染:カンジダなどの真菌が原因となることもあります。糖尿病の方や、免疫力が低下している方に多く見られます。

・刺激:石鹸、洗剤、消毒液などの化学物質や、摩擦などの物理的な刺激が原因となることがあります。

・アレルギー:特定の物質に対するアレルギー反応が原因となることがあります。

包皮の構造:包茎や仮性包茎の場合、包皮の内側に汚れがたまりやすく、炎症を起こしやすい状態です。

 

 

3.皮炎の症状

 

包皮炎の症状は、炎症の程度や原因によって異なりますが、主に以下のものが挙げられます。

 

・亀頭や包皮の赤み、腫れ:炎症により、患部が赤く腫れ上がる。

・痛み:触ると痛みを感じる、排尿時に痛みを感じる。

・かゆみ:炎症により、かゆみを感じる。

・分泌物:黄色や白色の膿のような分泌物が出る。

・排尿痛:排尿時に痛みを感じる。

 

・悪臭:分泌物や垢が溜まると、悪臭を放つ。

・包皮のむくみ:包皮がむくんで、亀頭を覆ってしまう。

 

 

 

  1. 包皮炎の診断

 

包皮炎の診断は、問診と視診で行われます。

・問診:症状が出始めた時期、症状の種類、既往歴、性行為の状況などを詳しくお伺いします。

・視診:患部の状態を直接確認します。赤み、腫れ、分泌物の有無などを確認します。

・分泌物検査:分泌物を採取し、性感染症である尿道炎の合併を調べます。

 

5.包皮炎の治療法

 

包皮炎の治療法は、原因によって異なります。

 

・細菌感染の場合:抗生物質の飲み薬や塗り薬を使用します。

・真菌感染の場合:抗真菌薬の塗り薬を使用します。

・刺激やアレルギーの場合:原因となっている刺激物を避け、ステロイド薬の塗り薬を使用します。

・性感染症の場合:性感染症に対する治療を行います。

・仮性包茎の場合:包皮を清潔に保つように指導します。炎症が繰り返す場合は、手術(包皮切除術)を検討することがあります。

・小児の仮性包茎の)場合:当院では、包皮をむけるところまでむき、軟膏(ステロイド含有)を1日2回塗る治療を行います。むけるようになっても、必ず元に戻すよう指導します。元に戻らない状態(陥頓包茎)になると、長時間経過すると手術が必要になる可能性がありま。

 

 

  1. 包皮炎の予防策

 

包皮炎を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。

 

・清潔を保つ:毎日入浴し、陰部を清潔に保ちましょう。包皮の内側も丁寧に洗うようにしましょう。

・刺激物を避ける:刺激の強い石鹸や洗剤、消毒液などは避けてください。

・性行為時の注意:性行為の際は、コンドームを使用するなど、性感染症予防に努めましょう。

・免疫力を高める:バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めましょう。

・早期治療:少しでも異変を感じたら、早めに専門医の受診をしてください。

・包茎の場合:包茎の方は、特に包皮の内側に汚れが溜まりやすいので、毎日丁寧に洗い、包皮を剥いて洗うのが難しい場合は、泌尿器科医に相談しましょう。

 

 

7.放置するとどうなる?

 

包皮炎を放置すると、以下のようなリスクがあります。

 

・炎症の悪化:炎症が広がり、痛みが強くなります。

・性感染症のリスク増加:炎症により、性感染症に感染しやすくなります。

・がん化のリスク:まれに、慢性的な炎症が陰茎がんの原因となることがあります。

 

 

8.まとめ

 

包皮炎は、繰り返しやすい疾患ではありますが、適切な治療と予防策を行うことで、症状を改善し、再発を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、一人で悩まずに、専門医に相談しましょう。当院では、患者様のお悩みに寄り添い、最善の治療を提供できるよう努めておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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