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前立腺肥大症手術後:スムーズな回復のための退院後の注意点と生活のポイント

2025年01月21日

「前立腺肥大症の手術を終えて、やっと退院できたけれど、これからどんなことに気を付ければ良いのだろう?」

「手術後の生活で、何か注意すべきことはあるのだろうか?」

前立腺肥大症の手術を受けられた患者様、退院おめでとうございます。手術を終え、ほっと一息つきたいところですが、その後の生活も、スムーズな回復のためにはとても大切です。今回は、泌尿器科専門医の立場から、前立腺肥大症手術後の退院後の注意点と、より快適な生活を送るためのポイントについて解説します

 

1.前立腺肥大症の手術の種類

前立腺肥大症の手術には、主に以下の方法があります。

・経尿道的(前立腺)切除術

尿道から内視鏡を挿入し、電気メスで肥大した前立腺組織を少しずつ切除していく手術です。最も一般的な手術方法ですが、出血など前立腺の手術では比較的侵襲が高い手術です。

 

・経尿道的レーザー前立腺(前立腺レーザー)蒸散術

レーザーを用いて肥大した前立腺組織を蒸散させる手術です。出血量が少ないため、高齢者や合併症のある患者様にも適応しやすいとされています。なお、当院ではこの手術方法を行っており抗血栓薬を内服中の患者様にも行うことができます。

 

手術方法によって、術後の経過や注意点が多少異なりますが、ここでは、共通して注意すべき点について解説します。

 

 

2.退院後の注意点:術後の経過と合併症のリスク

手術後の経過は、患者様によって個人差がありますが、退院後も以下の点に注意して、回復を促すことが重要です。

⑴排尿に関する注意

・排尿痛や血尿:手術後、一時的に排尿痛や血尿が見られることがあります。通常、数日から数週間で自然に改善しますが、症状が強く続く場合は、医師に相談してください。

・頻尿や残尿感:手術後、頻尿や残尿感が残ることがありますが、徐々に改善します。

・尿失禁:手術後、尿失禁が起こることがありますが、1ヵ月をめどに尿失禁が残存している場合は薬物療法を行います。

 

⑵日常生活での注意

・安静:手術後、しばらくは無理をせず、安静に過ごしましょう。激しい運動や長時間の立ち仕事は避け、体を休めることを優先しましょう。

・水分摂取:水分を十分に摂取し、尿路感染症や便秘を予防しましょう。

・食事:バランスの取れた食事を心がけましょう。刺激物やアルコールは控えめにしましょう。

・排便:手術後は、便秘になりやすいので、食物繊維を多く摂取したり、水分を十分に摂り、排便を促しましょう。(追加)(便をきばり腹圧がかかると再出血のリスクとなり最悪血尿が増悪し出血部を電気で焼く手術が必要になる場合があります。)

・性生活:手術後の性生活については、医師の指示に従ってください。通常、数週間から1ヶ月程度の期間をあける必要があります。経尿道的前立腺切除術では射精障害は必発ですが当院で思考している経尿道的前立腺レーザー蒸散術では30%のかたに射精障害がおきます。起こった場合には治ることはありません。当院のレーザーは勃起不全があまり起きにくいというデーターもあります。

・合併症のリスク:まれに、出血、感染症、尿道狭窄、尿失禁などの合併症が起こることがあります。気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に連絡してください。

 

3.退院後の生活におけるポイント

退院後、より快適な生活を送るためには、以下の点にも注意しましょう。

 

・定期的な診察

医師の指示に従い、定期的な診察を受けましょう。術後の経過を確認し、必要に応じて検査や治療を行います。

 

・薬の服用

医師から処方された薬は、指示通りに服用することが大切です。

 

 

4.まとめ

前立腺肥大症の手術後の一定期間の過ごし方は、日常生活に戻るために非常に重要です。

入院中に、手術後の生活に何か疑問や不安を感じたら、遠慮せずに主治医や看護師に相談してください。当院では、術後の患者様が安心して退院後の生活を送れるよう、丁寧な説明とサポートを心がけています。

このブログが、前立腺肥大症の手術を受けられた患者様の、少しでもお役に立てれば幸いです。

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