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痛みなし!泌尿器手術における麻酔の役割とメリット―福岡薬院ひ尿器科コラム

2024年04月20日

手術は、患者様にとって大きなストレス源となり得ますが、現代の麻酔技術の進歩により、痛みなしで行えるようになりました。麻酔は手術中の不快感を取り除くだけでなく、患者様の心理的安心感を高め、手術後の回復過程もスムーズにします。局所麻酔から全身麻酔まで、患者様の状態や手術の種類に応じて最適な麻酔方法が選択され、手術に関連する痛みや不安を大幅に軽減します。今回は、泌尿器に関する疾患で、手術を受ける方の不安を軽減する麻酔について解説します。

 

1.麻酔の基本原理と種類

 

泌尿器手術に適用される麻酔の種類

– 局所麻酔: 小規模な手術や処置に用いられ、麻酔薬を手術部位の近くに直接注射して痛みをブロックします。患者様は意識があり、手術中に会話が可能ですが、手術部位は完全に感覚がなくなります。

– 脊椎麻酔: 腰部に麻酔薬を注射し、下半身を麻痺させます。主に下腹部や下肢の手術に使用され、患者様は手術中に意識がありますが、痛みを感じません。

– 全身麻酔: 手術中に患者を完全に意識不明の状態にするために使用されます。麻酔薬は静脈注射または吸入することによって投与され、患者様は手術中の記憶がありません。

 

麻酔薬の作用メカニズム

麻酔薬は、神経系に作用して痛みの伝達をブロックします。局所麻酔薬は、特定の体部位の神経終末に直接作用し、その領域の痛みの感覚を遮断します。脊椎麻酔薬は、脊髄の神経伝達を一時的に遮断し、下半身への痛みの伝達を阻止します。全身麻酔薬は、脳と神経系全体に作用し、意識を失わせることで体全体の痛みを感じさせないようにします。これらのメカニズムを通じて、麻酔薬は手術中の痛みを効果的に管理し、患者様の快適さと安全を確保します。

 

 

 

2. 麻酔による泌尿器手術のメリット

麻酔による泌尿器手術のメリットは、大きく分けて以下の5つが考えられます。

 

・痛みや不安を軽減する

麻酔によって、手術中の痛みや不安をほとんど感じることなく手術を受けることができます。これは、患者様にとって大きなメリットです。特に、前立腺肥大症の手術や腎臓がんの手術など、大きな切開を伴う手術では、全身麻酔による痛みの軽減は非常に重要です。

 

・手術中の体の動きを抑制する

麻酔によって、手術中の体の動きを抑制することができます。これは、手術の精度を向上させるために重要です。特に、膀胱がんの手術*尿道がんの手術など、精度の高い操作が要求される手術では、麻酔による体の抑制は欠かせません。

 

・手術時間を短縮する

麻酔によって、患者様が痛みや不安を感じないため、手術をスムーズに進めることができます。これにより、手術時間を短縮することができ、患者さんの体への負担を軽減するだけでなく、医療費の削減にもつながります。

 

・術後の回復を早める

麻酔によって、術後の痛みが軽減されるため、患者様の回復が早くなります。これは、患者様さんにとって大きなメリットです。特に、膀胱全摘除術など、術後の回復に時間がかかる手術では、麻酔による痛みの軽減は非常に重要です。

 

・患者様の負担を軽減する

麻酔によって、患者様の身体的・精神的な負担を軽減することができます。これは、患者様にとって非常に大きなメリットです。特に、高齢者や心臓病などの持病がある患者さんにとって、麻酔による負担の軽減は重要です。

 

 

 

 

3.麻酔のリスクと患者様の注意点

 

  • 麻酔のリスク

麻酔は、手術中の痛みや不安を軽減し、安全に手術を行うために欠かせない医療技術です。しかし、どんな医療行為にもリスクはつきものであり、麻酔も例外ではありません。

 

麻酔のリスクは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

 

  • 偶発症

麻酔薬によるアレルギー反応、呼吸抑制、心拍数の低下、悪心・嘔吐、頭痛などの偶発症が起こる可能性があります。これらの偶発症は、まれに重篤な場合もあります。

 

  • 併発症

患者様の基礎疾患や体質によって、麻酔が原因で新たな病気が発症したり、既存の病状が悪化する可能性があります。例えば、高齢者や心臓病などの持病がある患者さんでは、麻酔によって心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高くなると考えられています。

 

近年、麻酔技術の進歩や麻酔薬の改良により、麻酔のリスクは大幅に減少しています。しかし、リスクが完全にゼロになったわけではありません。

 

 

 

  • 患者様が注意すること

また、患者様自身も、以下の点に注意することで、麻酔のリスクを軽減することができます。

 

・ 術前に禁煙する

・ 術前に指示された絶飲食を守る

・ 自分の病歴や体質について麻酔医に正確に伝える

・ 不安な点があれば、麻酔医に質問する

 

 

 

まとめ

泌尿器手術における麻酔の進歩は、患者様が経験する手術の質を大きく変えました。痛みのない手術は、ただ快適性を提供するだけでなく、患者様の恐怖や不安を軽減し、手術後の回復時間を短縮します。この進化は、医療技術だけでなく、患者様中心のケアへのシフトを象徴しています。麻酔の役割は、痛みを管理することにとどまらず、手術時間の短縮にもつながります。ただし、患者様も麻酔のリスクを理解し、不安やわからないことは納得いくまで医師へ尋ねることも必要です。

 

 

 

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