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泌尿器の異常を早期発見!超音波検査でわかること―福岡薬院ひ尿器科コラム

2024年04月23日

泌尿器の健康は、全身の健康状態を反映する重要な指標の一つです。しかし、泌尿器系の異常は初期段階では自覚症状が乏しいことが多く、見過ごされがちです。ここで超音波検査が重要な役割を果たします。身体の外から行い、痛みを伴わないこの検査法は、腎臓や膀胱、前立腺など、泌尿器系の臓器の状態をリアルタイムで視覚化し、石や腫瘍、構造的異常など、潜在的な問題を早期に発見することが可能です。超音波検査により、必要に応じて迅速な治療を開始し、より深刻な健康問題への進行を防ぐことができるのです。今回は、この超音波検査につてお伝えします。

 

1.超音波検査の基本

超音波検査とは何か

超音波検査又はエコー検査は、高周波の音波を利用して体内の構造の画像を生成する技術です。この検査では、検査部位に対して超音波を送り、反射した音波(エコー)を受信器でキャッチします。これらのエコーは、コンピュータによって画像に変換され、臓器や組織の構造、場合によっては血流の状態を詳細に視覚化します。泌尿器科領域では、この技術が腎石症や前立腺肥大、腫瘍の検出、膀胱の問題の診断に有効であることが証明されています。

 

検査の流れ

超音波検査を受ける際、患者様は適切な準備を指示されます。これには、検査部位に応じて特定の服装を着用することや、膀胱検査の場合は水分を摂取して膀胱を満たすことが含まれることがあります。検査当日、患者様は検査台に横になり、医師が検査部位に特別なゲルを塗布します。このゲルは、肌と超音波器具の間の空気を取り除き、音波の伝達を助けます。超音波の器具を患者の皮膚上で動かすことで、技師は様々な角度からの画像を得ることができます。

検査は通常、数分程度で完了し、特別な回復時間は必要ありません。検査結果は、専門の医師によって解析され、患者様や主治医と共有されます。結果に基づいて、必要に応じて追加の検査や治療が計画されます。

 

2.超音波検査で診断できる泌尿器の疾患

腎臓の病気

腎臓は私たちの体内で重要な役割を果たしており、その健康は全身の健康に直結しています。超音波検査により、腎臓結石や腎臓がんといった腎臓疾患を早期に発見することが可能です。腎臓結石は、超音波検査によってその存在、大きさ、位置を特定でき、適切な治療法の選択に役立ちます。また、腎臓がんの場合、超音波検査は腫瘍の存在を示唆し、さらなる診断手順へと進むための第一歩となります。

膀胱と前立腺の問題

膀胱と前立腺の問題も、超音波検査によって効果的に診断できます。膀胱の疾患では、超音波検査を用いて膀胱壁の厚さや腫瘍の存在を評価することができます。これにより、膀胱がんや慢性膀胱炎や神経因性膀胱などの疾患を早期に発見し、適切な治療を開始することが可能になります。

前立腺肥大症は、特に高齢の男性に見られる一般的な疾患であり、超音波検査は前立腺のサイズや形状を評価し、肥大の程度を判断するのに有用です。これは、前立腺肥大症の診断に役立ちます。直腸から挿入するエコー検査は前立腺癌の早期発見に役立ちます。超音波検査による前立腺の評価は、患者様の症状と治療方針を決定する上で重要な情報を提供します。

 

3.超音波検査の利点と限界

超音波検査の利点

超音波検査の最大の利点は、その非侵襲性にあります。体内にカメラや器具を挿入することなく、皮膚の上から安全に内部の画像を取得できるため、患者にとってのリスクや不快感が非常に少ないです。また、超音波検査は即時性にも優れており、検査中にリアルタイムで画像を見ることができるため、迅速な診断が可能になります。これにより、必要に応じてすぐに治療を開始できることが多く、特に緊急を要する状況においては大きな利点となります。さらに、CTスキャンやMRIと比較して、超音波検査は比較的低コストで実施できるため、多くの患者にとって経済的な負担が少ないというメリットもあります。

 

検査の限界と課題

しかし、超音波検査にはいくつかの限界が存在します。例えば、検査の感度や特異性には限界があり、特定の種類の組織や病変を見落とすことがあります。また、超音波は骨や気体を透過することができないため、骨に囲まれた内臓や、ガスが多い腸などの観察には不向きです。これにより、例えば胃腸系の疾患や、骨の病変を詳細に評価する場合には、他の画像診断法が必要となることがあります。さらに、超音波検査の解像度は他の画像診断法に比べて低いため、微小な病変を検出することが困難な場合があります。

 

まとめ

泌尿器の超音波検査は、非常に有効な診断ツールであり、早期に体内の異常を発見する鍵となります。この技術により、医師は腎臓の石や腫瘍、尿路の障害など、さまざまな状態を詳細に視覚化できます。しかし、超音波検査の真の価値は、単に病気を見つけ出すだけではありません。自分の体内の画像を医師と一緒に見ることができるため、患者様自身が自分の健康状態についてより深く理解し、健康管理に積極的に取り組むきっかけを提供する点にあります。超音波検査は、医療技術の進歩を象徴するものであり、早期発見と治療による生存率の向上に寄与する重要な役割を担っています。

 

 

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