最近おしっこをするのに時間がかかって、毎日すっきりしないと感じる男性もいらっしゃるのではないでしょうか。

特にシニア層、60代以降の男性に排尿に関する症状を訴えられる方が増加しています。

男性特有の器官でもある前立腺肥大症や加齢や生活習慣に伴う膀胱収縮障害などが考えられます。

・前立腺肥大症

前立腺は尿道を取り囲むように膀胱の出口にある器官です。その主な働きは、精液の一部を生産し、精子に栄養を補給、保護し、精子の運動機能を助けると考えられています。加齢とともに通常の臓器は萎縮していきますが唯一増大、肥大していくのが前立腺です。前立腺肥大症になる原因はわかっておりません。

また、尿が出にくいだけでなく、頻尿、夜間頻尿、残尿感などもひき超す場合があります。

・膀胱収縮障害

男女の差はなく、膀胱の筋肉をコントロールする神経に障害が起こり、膀胱の働き悪くなる状態です。その症状は、うまく尿をためることができない場合と尿を排出できない場合に分かれます。主な神経障害の原因は糖尿病、脳梗塞、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、その他外傷による神経損傷などが考えられます。

治療方法としては、まずは薬物治療になります。併せて生活習慣の見直し、骨盤底筋の訓練なども行います。なかなか改善しない場合は手術も検討していきます。

尿をするのに時間がかかる男性について、その主な原因となる疾患をお伝えしました。

これ以外にも、持病のお薬の影響や前立腺がんや膀胱がんなども隠れている可能性もあります。特に痛みや他の症状がなくても、毎日すっきりしない状態はストレスも大きくなります。「たかがおしっこ」と軽く考えず、早めに泌尿器科へご相談下さい。