加齢による変化は身体のいたるところに現れますが、膀胱など泌尿器にも表れてきます。
泌尿器と言われる臓器全般に現れる加齢変化についてお伝えしていきますのでご自身の状態を知るご参考になさって下さい。
まず腎臓について
加齢により、健康な方でもゆっくりと血液のろ過量が低下していきます。 腎臓に血液を送る動脈が狭くなり、十分な血液を送ることができず、腎臓のサイズも血流に合わせて小さくなります。また、糸球体へつながる細い血管も壁が厚くなり、糸球体の老廃物ろ過機能が低下します。老廃物だけでなく、薬物などの排出も低下していき、毒素が身体から排出されにくくなります。ご安心頂きたいのは、加齢に伴う機能低下はそれ自体が病気を引き起こすものではないことです。
ただし、二つの腎臓が余裕なく働くことになり、高血圧や糖尿病など他の病気で血管に負担をかけてしまうと結果的に腎臓の機能不全に陥る可能性が高くなります。
次に尿管・膀胱について
実は尿管は特に大きな変化は見られません。膀胱は尿の貯水量の限界量が減り、排尿を我慢する能力が低下し、頻尿や尿失禁を自覚されるもいらっしゃいます。その他、残尿感も多くなり、すっきりしない、何度もトイレに行きたくなるなど生活に支障も出るかもしれません。
尿道について
女性は更年期過ぎたころから排尿をコントロールしている尿道括約筋が弱り、尿失禁などにつながりやすくなります。
前立腺について
男性は、年齢とともに前立腺が大きくなり、尿道を圧迫し尿の流れを妨げるようになります。放置すると尿の流れが遮断され尿が排出されなくなるケースもあります。そうなると腎臓にも影響が出てきます。
加齢による身体の変化は自然現象であり、個人差も大きいのですが、生活の質を落とすような症状が出る場合もあります。お辛い場合は泌尿器の専門である当院へお気軽にご相談ください。