実は塩分を減らすと夜間頻尿が軽減されることはご存じでしょうか。
夜間頻尿は就寝中に1回以上トイレに行くことを言いますが、2回以上になると睡眠障害も発生しQOLが落ちると考えられます。また死亡率や骨折による入院のリスクも上がる研究結果もあります。誰にでも起こる可能性はありますが、加齢や生活習慣病などでシニア層から高齢者にかけて症状が出やすいです。
さて、適切な塩分量はどのくらいでしょうか。
健康な方の1日の基準量は、男性女7.5g以下、女性6.5g以下です。
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(20年版)
実際の摂取量は、男性10.9g女性9.3gと過剰摂取となっています。
(厚生労働省平成30年『国民健康・栄養調査』)
対策としては、まずは減塩。色の薄い味付けになっていても塩分の多い食品はたくさんありますので正しい食事の知識を身に着け、少しずつでも食事内容を見直すことが大切です。
次に、摂り過ぎた塩分の排出です。カリウムを多く含む食品を積極的に摂取すると余分な塩分を排出できます。例えば、ナッツ類や緑黄色野菜などはカリウムが多い食品です。ただし、すでに腎機能が落ちている方はカリウム摂取で不整脈など引き起こす可能性がありますので、必ず医師に相談してください。
実は余分な塩分は水分とともにむくみを発生させます。下半身にたまることが多く、適度な運動や下肢のマッサージや下肢を締め付けるストッキングを履くことは効果的です。
夜、湯船に入って足をマッサージするとか昼寝をする時は足を上げて寝ると夜間頻尿対策に効果的と言えるでしょう。
まとめ
高齢者や腎機能障害のある方は、塩分を控えても夜間頻尿が改善しない場合もあります。先送りにせず夜間2回以上行く方は死亡率が上昇するということも言われておりますので早めに泌尿器科の受診をお勧めします。