放射線治療について
前回は前立腺がんに対する手術について説明させていただきました。
今回は放射線治療をは外照射と内照射がありますのでそれぞれの方法、利点、欠点につきましてご説明させていただきます。
外照射について
外照射療法は体の外から前立腺に放射線をあてる方法です。周囲への臓器への影響を減らすため強度変調放射線治療が使用されることが多いです。治療期間が2ヵ月間、週5回の通院が必要になります。2018年4月より重粒子線治療が保険で可能になりました。重粒子線治療は治療期間は3週間程度の週5回の通院が必要になります。どちらの外照射治療も患者さんの状況によってはホルモン療法との併用が必要なり、併用することにより生存期間が延長することが知られていります。放射線治療後に再発した場合には手術を行うことはできません。
主な利点
手術より侵襲性がかなり低くなります。
主な欠点
排尿に関する症状(排尿困難、頻尿、排尿痛、軽度の尿失禁)が出現。
排便に関する症状(肛門痛、下痢、肛門出血)が出現。
頻度は高くないですが重篤な合併症はまれですが報告があります。
内照射について
内照射療法はシードといわれる5mm程度の放射線をだす物質を前立腺に永久に埋め込む密封小線源永久療法と一時的に埋め込む高線量組織内照射があります。両方とも数日間の入院治療が必要になります。また高線量組織内照射は3週間程度通常の外照射と併用する場合もあります。前立腺が大きな場合はホルモン療法にて小さくしてから行う場合があります。また悪性度の高い前立腺癌の場合は適応になりません。
主な利点
手術より侵襲性がかなり低くなります。
数日の入院で治療が可能です。外照射に比べて性機能が維持される割合が高いです。
主な欠点
排尿に関する症状(排尿困難、頻尿、排尿痛)が出現。
排便に関する症状は外照射よりも低いですが出現する可能性はあります。
頻度は高くないですが重篤な合併症はまれですが報告があります。
いかがでしょうか。手術も放射線も一長一短ありますね。
じっくり考えて治療方法を決定しましょう。