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泌尿と反覆感染、益生菌について-福岡薬院泌尿器科コラム

2023年01月27日

人間の消化管の中にいる腸内細菌は100兆個あり、その重さは1.5kgです。定着する常在菌の90%が消化管に生息しており腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれています。腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が住んでおり、偏食やストレス、老化などにより悪玉菌が増加すると腸の動きが悪くなって食物の腐敗を促します。つまり悪玉菌と善玉菌の比率により腸内環境が変化するのです。結果、便秘や下痢、免疫低下などを招いてしまいますさらに腸内フローラは腸管内の消化器疾患だけでなく、糖尿病や免疫系疾患、精神疾患まで幅広く影響しています。

 

近年、尿路感染症の感染防御機構に自然免疫の重要性が報告されています。

尿路感染では、体内で外来微生物の侵入時に速やかに様々な貪食細胞やサイトカインが誘導され、抗菌作用を発揮することで尿路を無菌に保持していますが、これら腸内フローラの異常が、感染防御機構に影響を及ぼすことが様々な実験でわかってきています。つまり、腸内フローラの環境を整えておくことは感染を予防する上でも重要であることがわかります。泌尿器の炎症の原因となることが多い大腸菌も悪玉菌の一つです。

 

この腸内フローラを整えるのが、プロバイオティクスです。「適切な量を摂取した際に宿主の健康に有益な効果をもたらっす生きた微生物」と定義されており、便秘や下痢、乳糖不耐症の改善、免疫機能改善による感染防御、アレルギー抑制効果、動脈硬化の予防効果、抗腫瘍作用などが報告されています。いわゆる善玉菌のことで、多くは発酵食品に含まれており、なかでも有名なのは乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などでしょう。世界的にその注目は高く、日本でも特定保健用食品制度に基づいて多くの発酵乳製品が発売されています。

 

繰り返す感染症の原因

実は、下痢を繰り返す方の中に膀胱炎を繰り返す方もいらっしゃいます。

尿道に大腸菌が付着し炎症を起こすことが原因と考えられます。

免疫が低下している時に発症しやすく、排尿痛を伴う症状がでます。

そのため、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることは泌尿器系疾患の予防に有効である可能性が示唆されます。

 

最後に

お腹の調子が悪く排尿痛の症状があれば、膀胱炎を疑い泌尿器科を受診されることをお勧めします。膀胱炎は身体の構造上女性が発症しやすく感染も反覆して起こります。当院は女性専用外来も準備しておりますので女性の方もお気軽にご相談ください。また便秘や下痢などの症状があり必要な場合には内科への紹介も検討させていただきますのでご相談下さい。

お気軽にお問い合わせください。

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受付時間:平日9時〜17時。

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