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その背中の激痛、尿路結石かも。福岡の泌尿器科医が解説―福岡薬院ひ尿器科コラム

2025年12月15日

「突然、背中から脇腹にかけて激しい痛みに襲われた」「痛みで動けなくなり、救急車を呼んだ」。このような経験をお持ちの方、その正体は尿路結石かもしれません。

 

福岡で泌尿器科医として長年診療に携わる中で、尿路結石による激痛で深夜や休日に駆け込んでこられる患者さまを数多く診てきました。尿路結石は、泌尿器科の外来で最も頻度の高い疾患の一つであり、年間罹患率は年々上昇を続けています。特に壮年男性と閉経後の女性に多く見られ、70歳までに男性の最大12%、女性の10%が経験すると言われています。食生活の欧米化やメタボリックシンドロームの増加が、発症リスクを高める要因として考えられています。

 

この記事では、泌尿器科医の視点から、尿路結石の特徴的な症状、発症のメカニズム、治療法、そして再発を防ぐための生活習慣について、わかりやすく解説していきます。

 

 

1.尿路結石の激痛はなぜ起こるのか

 

尿路結石とは、主に腎臓で作られる石のことです。この石が腎臓の中にとどまっている間は、ほとんど痛みを感じません。そのため、健康診断などで偶然発見されることも珍しくありません。

 

では、なぜ「大男も泣くほど」と例えられるほどの激痛が起こるのでしょうか。その原因は、腎臓で作られた結石が、尿を膀胱へと運ぶための細い管である「尿管」へと移動することにあります。

 

尿管は、結石を体外へ排出しようと、強く収縮する動きを繰り返します。しかし、石が途中で詰まってしまうと尿の流れがせき止められます。その結果、石よりも上流にある腎臓に尿が溜まり、内側からの圧力が急激に高まります。この腎臓への強い圧迫が、背中から脇腹にかけての耐えがたい激痛を引き起こすのです。

 

この痛みは、特に夜間や早朝に突然襲ってくることが多く、数時間続くこともあります。また、尿に血が混じる「血尿」も典型的な症状の一つです。

 

さらに、結石が膀胱の近くまで下がってくると、膀胱が刺激されます。それにより、頻尿や残尿感といった膀胱炎に似た症状や、肛門のあたりに違和感を覚えることもあります。

 

 

2.結石ができる原因と危険因子

 

結石が形成される詳細なメカニズムは、まだ完全には解明されていません。しかし、尿に含まれるシュウ酸という物質が腎臓の中で結晶となり、石のように固まることが主な原因だと分かっています。

 

最大の危険因子は、もともとの体質や遺伝的な要因です。それに加え、近年問題視されているメタボリックシンドローム(高血圧・高血糖・肥満など)も、結石のリスクを高める重大な要因として指摘されています。

 

食生活の偏りも結石の引き金になります。特に、ほうれん草や紅茶、緑茶などに豊富なシュウ酸の摂り過ぎには注意が必要です。これらの食品は、調理の際に茹でる一手間でシュウ酸を減らすことができます。また、プリン体を多く含む肉や魚、アルコールの過剰摂取も危険です。

 

そして、何よりも重要なのが水分摂取です。水分不足で尿が濃くなると、結石は格段にできやすくなります。日頃から十分な水分を摂って尿を薄く保つことが、最も手軽で効果的な予防策といえるでしょう。

 

 

3.結石の大きさで変わる治療法

 

尿路結石の治療は、結石の大きさ、位置、症状の有無によって異なります。

 

5mm以下の小さな結石の場合は、薬物療法と生活習慣の改善によって自然排石を促します。痛みを和らげる鎮痛剤、尿管の痙攣を抑える鎮痙剤、尿管を広げる排石促進剤などを使用します。そして何より重要なのが、1日2リットル以上の水分摂取と適度な運動です。これによって尿量を増やし、結石の排出を促進します。

 

5mmから10mm程度の結石では、結石の状態や症状、位置によって、薬物療法による経過観察か、砕石治療を行うかを選択します。ただし、7〜8mmの長径、5〜6mmの短径以上の結石は、排石が難しく破砕治療を行うことが多いです.

 

 

 

10mmを超える大きな結石や、薬物療法で改善しない場合には、以下の外科的処置を検討します。

 

・体外衝撃波結石破砕術(ESWL):体の外から衝撃波を当て、結石を細かく砕いて自然排出を促す方法です。外科手術の必要がなく、体への負担が少ないのが特徴です。10mmを超える結石の場合は成功率が低く適応とならない場合があります。腎臓の近くにある結石の場合は腎機能障害の原因にもなります。

 

・経尿道的腎尿管砕石術(TUL):尿道から内視鏡を挿入し、レーザーで結石を破砕・除去する治療法です。アメリカ、日本でも成功率からTULが選択されることが多くなっています。

 

・経皮的腎砕石術(PNL):非常に大きな結石や硬い結石に対して行われる方法で、背部から針を刺して内視鏡を挿入し、レーザーで破砕します。入院期間が長く、他の治療に比べると合併症の頻度も高く行える施設が限られています。

 

また、結石によって尿路感染症や腎盂腎炎を併発している場合には、38度以上の発熱が見られ、抗菌薬による治療と膿を出すために緊急で尿管ステントという管を通す必要がある場合があります。放置すると敗血症から血圧が低下したり多臓器不全を合併することもあります。

 

 

4.再発を防ぐ生活習慣のポイント

 

尿路結石は再発しやすい病気です。一度経験した方の約50%が、5年以内に再発すると言われています。しかし、日常生活の工夫で再発を大幅に減らすことができます。

最も重要なのは、1日2リットル以上の水分を摂取することです。特に夏場や運動後など、汗をかく時期は尿が濃縮されやすいため、意識的に水分を補給しましょう。

 

また、シュウ酸を多く含む食品の過剰摂取を避け、バランスの取れた食事を心がけてください。カルシウムを適度に摂取すると、腸内でシュウ酸と結合し、尿中へのシュウ酸排泄を減らすことができます。塩分の摂り過ぎは尿中カルシウムを増やすため、減塩も大切です。適度な運動を習慣にすることで、肥満やメタボリックシンドロームの予防にもつながります。

 

当院、薬院ひ尿器科医院では、尿路結石をはじめとする泌尿器科疾患の診断・治療を行っています。予約優先制で診察を行っておりますが、突然の背中の痛みや血尿などの症状があれば、まずは素早く診断をし痛みをとった後に詳しい検査に進んでいしますのでお早めにご相談ください。一人で悩まず、まずは専門医にお任せください。

 

 

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