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手術が変わる!泌尿器科CVP管理3つのポイント―福岡薬院ひ尿器科コラム

2025年09月02日

中高年の男性の皆様!

「最近、夜中に何度もトイレに起きるようになった」「おしっこの勢いがなく、時間がかかる」

このような症状に悩んでいませんか?それは「前立腺肥大症」が原因かもしれません。前立腺肥大症は、加齢とともに多くの男性が経験する疾患ですが、治療をためらっている方も少なくないでしょう。

 

しかし、近年、泌尿器科の手術は大きく進化しています。特に今回ご紹介するCVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)は、患者様の身体への負担を大幅に軽減し、より安全で効果的な治療を可能にしました。

 

この記事では、泌尿器科専門医の立場から、最新の前立腺肥大症治療であるCVPについて、その特徴とメリットを3つのポイントに絞って詳しく解説していきます。手術に対する不安が、少しでも和らげば幸いです。

 

1.そもそもCVPとはどんな手術?

 

CVPは「Contact laser Vaporization of the Prostate」の略で、日本語では「接触式レーザー前立腺蒸散術」と呼ばれます。これは、肥大して尿道を圧迫している前立腺の組織を、レーザーを使って取り除く手術です。

 

具体的には、尿道から細い内視鏡を挿入し、その先端についた光ファイバーを前立腺の組織に直接接触させます。そして、レーザー光を照射することで組織に高い熱を与え、組織内の水分や血液を瞬時に沸点まで到達させて蒸発させます。これにより、肥大した組織が気化して消失し、圧迫されていた尿道が広がるという仕組みです。

 

この方法は、海外では1998年頃から行われており、特に欧米では前立腺肥大症に対するレーザー手術の主流となっています。

 

 

2.手術が変わる!CVP管理3つのポイント

 

では、なぜCVPが「手術を変える」ほどのインパクトを持っているのでしょうか。従来の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)などと比較しながら、CVPがもたらす3つの大きなメリットをご紹介します。

 

 ポイント1:身体への負担が少なく、回復が早い

CVPの最大の特長は、患者様の身体への負担(低侵襲性)が非常に少ない点です。

 

*出血がほとんどない

CVPで使用するレーザーは、組織を蒸散させると同時に血管を塞いで止血する能力が非常に高いのが特徴です。そのため、従来の手術と比べて出血量が格段に少なくなります。

 

*入院期間が短く、早期の社会復帰が可能

出血や術後の痛みが少ないため、回復が非常にスムーズです。ある医療機関のデータでは、一般的なTUR-Pと比較して入院期間が有意に短縮され、術後平均入院日数は4.1日という良好な結果が報告されています。当院では患者様の状況に応じて最短で1泊2日も可能で、早く日常生活に戻れることは大きなメリットと言えるでしょう。

 

*術後の合併症リスクが低い

 CVPでは、従来の手術で使われていた内視鏡よりも細いものを使用します。これにより、尿道へのダメージが抑えられ、術後に起こりうる「尿道狭窄(にょうどうきょうさく)」といった合併症のリスクを低減できます。

 

 

ポイント2:これまで手術が難しかった方でも受けられる安全性

2つ目のポイントは、手術の安全性が非常に高いことです。これまで持病などを理由に手術を断念せざるを得なかった方にも、治療の道が開かれました。

 

特に重要なのは、抗血栓薬(血小板薬)(血液をサラサラにする薬)を服用している方でも手術を受けられる点です。

心筋梗塞や脳梗塞の既往がある方は、再発予防のために抗血栓薬(血小板薬)を内服していることが多く、従来の手術では出血リスクが高いため、薬を一定期間中止する必要がありました。しかし、薬の中断は血栓症(心筋梗塞や脳梗塞)のリスクを高めるため、手術そのものをためらうケースも少なくありませんでした。

 

CVPは前述の通り止血能力が極めて高いため、抗血栓薬(血小板薬)を継続したまま安全に手術を行うことができます。高齢化が進む現代において、合併症を持つ患者様でも安心して受けられるこの特長は、泌尿器科治療における大きな進歩と言えます。

 

 

ポイント3:機能温存の可能性と高い治療効果

3つ目のポイントは、生活の質(QOL)に関わる機能の温存が期待できる点です。

 

前立腺の手術で心配される副作用の一つに「逆行性射精(射精した精液が膀胱に流れてしまう状態)」があります。CVPでは、前立腺の形状や大きさにもよりますが、精丘(射精口のある部分)を温存するような手術デザインが可能な場合があり、射精機能を温存できる可能性があります。ただし、これは100%保証されるものではないため、希望される場合は担当医とよく相談することが重要です。通常であれば30%程度の逆行性射精が起こります。

 

もちろん、治療効果そのものも非常に高いレベルです。レーザーによって肥大した組織をしっかりと蒸散させ、尿道に滑らかで広い空洞を作ることができるため、術後は尿の勢いが劇的に改善します。実際に、排尿に70秒かかっていた方が術後20秒に短縮されたという報告もあり、長年の排尿の悩みが解消されることが期待できます。

 

 

3.CVP手術の具体的な流れ

 

最後に、手術がどのように行われるのか、大まかな流れをご説明します。

 

麻酔:安全に手術を行うため、全身麻酔と腰椎麻酔(下半身麻酔)をかけます。

内視鏡の挿入:尿道からCVP専用の細い内視鏡を挿入し、モニターで確認しながら前立腺にアプローチします。

レーザー照射:光ファイバーの先端を前立腺組織に接触させ、レーザーを照射して組織を蒸散させていきます。

手術終了:十分に尿道が広がったことを確認して手術は終了です。手術時間は前立腺の大きさにもよりますが、おおむね30分から60分程度です。

 

術後は尿道にカテーテルを留置しますが、これも出血が少なければ早期に抜去できます。

 

 

 

4.前立腺肥大症の新しい治療法CVP

 

今回は、前立腺肥大症の新しい治療法であるCVPについて、3つのポイントを軸に解説しました。

 

* ポイント1:低侵襲で回復が早い

* ポイント2:合併症のある方でも安全に受けられる

* ポイント3:機能温存も期待できる高い治療効果

 

CVPは、まさに泌尿器科の手術を大きく変える画期的な治療法です。もし、あなたが排尿のことで悩んでいたり、薬物療法では十分な効果が得られなかったり、あるいは副作用や身体への負担から手術をためらっているのであれば、ぜひ一度、泌尿器科の専門医にご相談ください。

 

最新の医療技術は、あなたの「当たり前の日常」を取り戻すための力強い味方となってくれるはずです。

 

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