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50代男性の泌尿器の悩み|前立腺肥大・尿漏れ・性機能低下…泌尿器科専門医が徹底解説―福岡薬院ひ尿器科コラム

2025年02月17日

50代は、人生の折り返し地点を迎え、健康への意識が高まる年代です。しかし、加齢に伴い、身体の様々な機能が低下し始め、特に泌尿器系の悩みは、多くの男性が抱える問題です。「歳のせいだから仕方ない」と諦めてしまう方も少なくありませんが、適切な治療を受けることで、症状を改善し、快適な生活を送ることができます。このブログでは、泌尿器科専門医の立場から、50代男性が抱えやすい泌尿器の悩み、その原因、症状、治療法についてわかりやすく解説します。ぜひ、ご自身の健康管理にお役立てください。

 

1.50代男性が抱えやすい泌尿器の悩み

 

50代になると、前立腺肥大症、尿漏れ、性機能低下など、様々な泌尿器系のトラブルが起こりやすくなります。これらの症状は、生活の質(QOL)を著しく低下させる可能性があります。以下に、50代男性が特に注意すべき泌尿器の悩みを解説します。

 

・前立腺肥大症:前立腺が肥大し、尿道が圧迫されることで、排尿困難、頻尿、残尿感、夜間頻尿などの症状が現れます。50代以上の男性に多く見られる病気です。

 

・尿漏れ(尿失禁):加齢に伴い筋力が低下し排尿後に尿が少し漏れる排尿後尿滴下や)急な尿意で我慢できずに漏れてしまう切迫性尿失禁などがあります

 

・性機能低下(ED):勃起不全(ED)は、50代男性にとって深刻な悩みの一つです。加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下や、血管機能の低下などが原因となります。

 

・前立腺がん:前立腺がんは、50代以上の男性に多い癌であり、早期発見が重要です。初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると排尿困難、血尿(腰痛)などの症状が現れることがあります。日本人男性では罹患率が最も高く、死亡率は臓器別でみると第6位までさがります。早期発見、早期治療が最も大事となります。

 

・過活動膀胱:突然の強い尿意を感じ、我慢できずに漏らしてしまう病気です。頻尿や夜間頻尿も伴うことがあります。

・夜間頻尿:夜中に何度もトイレに起きる状態です。睡眠不足の原因となり、生活の質を低下させます。

 

・血尿:目で見て尿に血が混じっている状態を肉眼的血尿と言い、尿路の腫瘍、結石、炎症などが原因で起こることがあります。

 

・男性更年期障害: 男性ホルモン(テストステロン)の低下によって、倦怠感、疲労感、性欲低下、勃起不全などの症状が現れます。

 

 

 

2.各疾患の原因と症状

 

⑴前立腺肥大症

 

原因:正確には原因は不明ですが加齢による男性ホルモンの変化や、生活習慣の乱れなどが考えられます。

症状:排尿困難、頻尿、残尿感、夜間頻尿、尿意切迫感などが現れます。

 

⑵尿漏れ(尿失禁)

 

原因:加齢による骨盤底筋の緩み、神経系の異常、前立腺肥大症、肥満などが考えられます。

症状:排尿後に尿が少し下着につく排尿後尿滴下や急な尿意で我慢できずに漏れる、常に尿が漏れるなどがあります。

 

  • 性機能低下(ED)

 

原因:加齢による男性ホルモン(テストステロン)の低下、血管機能の低下、ストレス、生活習慣病などが考えられます。

症状:勃起が十分にできない、勃起を維持できない、性欲低下などが現れます。

 

⑸前立腺がん

 

原因:正確な原因は不明ですが、加齢、遺伝、食生活などが関与すると考えられています。

症状:初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると排尿困難、血尿、骨への転移による痛みなどが現れることがあります。

 

⑹過活動膀胱

 

原因:神経系の異常、加齢、前立腺肥大症、骨盤底筋の脆弱化などがありますが、原因不明の場合もあります。(がほとんどです。)

症状:突然の強い尿意、頻尿、夜間頻尿、尿失禁などが現れます。

 

⑺夜間頻尿

 

原因:夜間の尿量が増える夜間多尿、膀胱の容量が小さくなる、睡眠障害、生活習慣(高血圧や糖尿病などの内科疾患、睡眠時無呼吸症候群)などが考えられます。

症状:夜中に何度もトイレに起きる、睡眠不足になる、日中の活動に支障が出るなどがあります。

 

⑻血尿

 

原因:尿路の腫瘍、結石、炎症、外傷などが考えられます。

症状:目で見て尿に血が混じっているのがわかる、尿検査で潜血が認められるなどがあります。

 

⑼男性更年期障害

 

原因: 加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下が主な原因です。

症状: 倦怠感、疲労感、性欲低下、勃起不全、気分の落ち込み、イライラ感、集中力低下、不眠などが現れます。

 

 

3.泌尿器科の受診を勧める症状

 

以下のような症状がある場合は、泌尿器科を受診することをおすすめします。

・排尿時の痛みや不快感頻尿

・残尿感

・尿漏れ

・夜間頻尿

・血尿

・腰やわき腹の痛み

・性機能低下

・原因不明の倦怠感や疲労感

 

 

4.50代からの泌尿器ケア

 

50代は、加齢による変化が現れやすい時期ですが、適切なケアを行うことで、健康な生活を送ることができます。

 

・バランスの取れた食事:野菜や果物を積極的に摂り、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

・適度な運動:定期的な運動は、肥満予防やストレス解消に効果的です。

・十分な睡眠:毎日十分な睡眠をとり、身体を休ませましょう。

・水分補給:こまめな水分補給は、尿路結石の予防に効果的です。

・禁煙:喫煙は、泌尿器系の病気のリスクを高めます。禁煙を心がけましょう。

・ストレス解消:ストレスは、自律神経のバランスを乱し、様々な病気の原因となります。自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

・定期的な検診:年に一度は、泌尿器科検診を受けましょう。特に、前立腺がんのリスクが高まるため、PSA検査を受けることをおすすめします。

・骨盤底筋トレーニング: 骨盤底筋を鍛えることは、過活動膀胱の症状の改善に効果的です

 

これらのケアは、泌尿器疾患の予防につながるだけでなく、全身の疾患、がんや更年期、生活習慣病にも有効です。ぜひ、できるところから取り組んでみてください。

 

 

5.まとめ

 

50代は、泌尿器系のトラブルが増える年代ですが、適切なケアと治療で、健康な毎日を送ることができます。「歳のせいだから」と諦めずに、気になる症状があれば、泌尿器科専門医にご相談ください。

当院では、患者様のお悩みに寄り添い、最善の治療を提供できるよう努めておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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