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女性の膀胱炎:発熱が示す進行する疾患のサインとは?―福岡薬院ひ尿器科コラム

2024年11月30日

「排尿の際に痛みを感じる」「トイレが近い」などの膀胱炎の症状に加え、発熱が現れた場合には注意が必要です。通常、膀胱炎は軽度の感染であるため微熱にとどまりますが、高熱が出た場合は、感染が腎臓に広がる「腎盂腎炎」など、深刻な病態に進展している可能性があります。本記事では、膀胱炎と発熱の関係や、発熱時に考えられる病態、そして適切な対処法について解説します。膀胱炎の発熱を早期に見極めることで、重症化を防ぎ、健康を守りましょう。

 

  1. 膀胱炎と発熱の関係性

 

  • 膀胱炎とは

膀胱炎は、細菌が膀胱内で増殖し、膀胱に炎症を引き起こす病気です。尿道が短い女性に多くみられ、尿を我慢したり、体力が低下した際などに発症しやすくなります。通常、膀胱炎の症状としては頻尿、排尿時の痛み、残尿感などが見られ、軽度の場合は発熱を伴わないことがほとんどです。

 

  • 膀胱炎と発熱の関係

膀胱炎で高熱(38度以上)が出ることは珍しく、一般的には微熱にとどまることが多いです。しかし、発熱が伴う場合、以下のような病態が考えられるため、注意が必要です。

 

– 腎盂腎炎

  膀胱から腎臓へと細菌が広がると、腎盂腎炎と呼ばれる重症の尿路感染症が発生します。腎盂腎炎になると、高熱や腰痛、悪寒といった全身症状が現れ、早急な対応で入院が必要になる場合もあります。入院が必要になると5-7日間の入院が必要になる場合もございますので膀胱炎症状がありましたら早めの泌尿器科受診をお勧めしております。

 

 

 

  1. 発熱を伴う場合の病態

 

膀胱炎に加えて発熱がある場合、体内で感染が広がりつつあるサインであることが多く、特に注意が必要です。

 

  • 腎盂腎炎への発展

膀胱炎が放置され、膀胱内の細菌が腎臓まで広がると腎盂腎炎を引き起こします。

 

– 腎盂腎炎の症状

  高熱(38度以上)、腰の痛み、強い悪寒、体のだるさなど、通常の膀胱炎では見られない症状が現れます。これらの症状がある場合は、ただの膀胱炎ではなく、腎盂腎炎への進行が疑われるため、早急な治療が求められます。緊急入院が必要になる場合もあり、我慢せず早急に泌尿器科の専門医を受診しましょう。

 

– 放置することによるリスク

  腎盂腎炎が重症化すると、腎臓に負担がかかり、最悪の場合腎機能が低下する可能性があります。また、血液を介して細菌が体内に広がり、全身の感染症(敗血症)を引き起こすリスクもあるため、発熱が見られた場合には注意が必要です。

 

  • その他の合併症

膀胱炎が進行することで、他の臓器やシステムに悪影響が及ぶことがあります。

 

– 尿路感染症の重症化

膀胱炎から腎盂腎炎になると単純性腎盂腎炎と言い抗生物質治療で改善されることが多いです。まれに上記のような腎機能障害が残存する場合もあります。尿管結石が原因で腎盂腎炎になった場合には血液の中に細菌が侵入し敗血症となり血圧を低下させショックという状態になります。そこから派生して血管播種性凝固症候群(DIC)となり多臓器不全となり命にかかわることもあります。速やかに泌尿器科を受診する必要があります。

 

 

  1. 発熱時の対処法

 

発熱を伴う場合には、早めに医師の診察を受けることが重要ですが、家庭でのケアも症状緩和に役立ちます。

 

  • 医師への受診

発熱が伴う場合、自己判断せず医師の診察を受けましょう。

 

– 医療機関での検査と診断

  高熱が続く場合は、尿検査や血液検査、場合によっては画像検査を行い、膀胱炎が原因の腎盂腎炎か尿管結石が原因の結石性腎盂腎炎かを判断します。単純性腎盂腎炎の場合には抗生物質が入院にて必要になる場合もありますし、結石が原因の場合には菌を外にだすために尿管ステントを挿入する手術が必要になる場合もあります。

 

 

  • 自宅でのケア

医師の治療と併せて、自宅でも以下のケアを心がけることで、症状を緩和し、早期回復を目指しましょう。

 

– 水分補給 

  発熱により体内の水分が失われやすくなるため、こまめに水分を摂ることが大切です。水分が不足すると、尿が濃縮されて細菌が増殖しやすくなるため、1日2リットルを目安に水を飲むようにしましょう。

 

– 安静 

  発熱がある場合、体を休ませることが最優先です。無理な運動や過度な動きは控え、体力の回復に努めましょう。

 

 

【注意】

発熱を伴う膀胱炎は、腎盂腎炎などの重篤な状態に発展する恐れがあるため、自己判断は避け、できるだけ早めに医療機関を受診してください。自宅でのケアも大切ですが、医師による診断が適切な治療の鍵となります。特に女性に多い膀胱炎から、我慢強い方ほど重症化しやすいものです。

 

  1. まとめ

膀胱炎で発熱が見られる場合は、特女性であれば腎盂腎炎、男性であれば急性前立腺んを合併しております。発熱がある場合には入院が必要になる場合もありますので早めの医療機関の受診をお勧めいたします。

 

薬院泌尿器科では、女性専用外来を設置し、女性の患者様が受診しやすい環境を整えております。安心して受診してください。ただし、急激な症状の悪化には対応できない場合も考えられます。膀胱炎で38度以上の高熱が出た場合は、速やかに泌尿器科専門医を受診してください。

診療実績も豊富で、膀胱炎の治療にも定評あのある当院の医師が責任をもって対応いたします。発熱や排尿痛などの症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

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